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【完全版】絶対に失敗しない!WordPressの引っ越し《その5~DNSの切り替え編~》

いままでの流れで、既に新しいサーバにはWordPressのすべてのデータが引っ越しされています。しかしながら、 https://www.****.jp 等のドメイン名を使ったURLでアクセスしても、実はまだ古いサーバを見ている状態になっています。これはドメイン と Webサーバは別々に管理されているからで、この後ご案内する「DNSの切り替え」をもって、全ての引っ越しが完了となります。

この章ではドメインについて(少しだけ)と、その切替方法についてご案内します。

なお、この章に記載の内容を行うことで、引っ越し先の新サーバが世の中に公開されることになります。万一データのリストア(詳細は前の章をご覧ください)が不完全だったり、wp-config.phpの設定ができていなかったりしますと、Webサイトが停止することになりますので、今までの作業が完了していることを確認の上、DNSの切り替えへ進んでください。

ドメイン名とWebサイト

Webサイトにアクセスする時はGoogle ChromeやSafariといったWebブラウザのアドレス欄に

https://fastcoding.jp

といったアドレス(これをURLといいます)を入力していると思います。実際意識をしていなくても、例えばメールに添付されたアドレスをクリックしたり、QRコードを読み取ることでアドレスを自動的に取得したりして、結果的にはWebブラウザを使ってWebサイトを閲覧しているんです。
このアドレスの一番左側、https://の次に来るのが「ドメイン名」といって、その会社やサービス毎にユニークに設定されている、いわばWebサイトの名前になります。

このドメイン名は、DNS(Domain Name System)という仕組みによって、いろいろなサーバとの紐づけが管理されています。いわばDNSという名前の、とても大きなExcelファイルみたいなものが世界に1つあって、その中に、例えば fastcoding.jp は ●●● というサーバ、という関連が書いてると思ってください。Webブラウザはいつもそれを見に行ってサーバを探し出しているというわけです。
今の状態では、そのDNSには、あなたのドメイン名と古いサーバの関連が記載されている状態です。これを新しいサーバに書き換えるのが「DNSの切り替え」になります。

※ドメイン名やDNSについては本論からそれますので、相当ごまかしながら記述しています。ご容赦ください。

DNS設定を変更する

DNSの切り替えは、DNS設定の変更によって行われます。DNS設定を変更することで、ドメイン名でアクセスする訪問者が自動的に新しいサーバへ接続されるようになります。

実際の切り替え前に自分だけ確認する方法

でもこのDNS、つまり大きなExcelファイルですが、実は自分のパソコンの中にも1つ持っているんです。このファイルのことを「hostsファイル」といいます。

hostsファイルを先に書き換えてしまえば、自分のパソコンだけが、あたかもDNSの切り替えを行ったかのように、新しいサーバへアクセスできるようになります。こうすることで、他のユーザーには影響を与えずに、自分だけが先に、新しいサーバでのサイト動作を確認することができます。
WordPressの引っ越し作業の時は是非ともこの「hostsファイル」の設定変更を先に行って、自分だけで新しいサーバの動作を確認するようにしてください。

hostsファイルの更新は以下の方法で行います。

  1. まず新しいサーバのIPアドレスを確認してください。hostsファイルにはこのIPアドレスを書き込むことになります。大抵は新しいサーバの管理パネルにログインすれば表示されていると思います。分からない場合はサーバ管理会社へ確認してください。
  2. 次にパソコンの中にあるhostsファイルを編集して、自分の端末だけが新しいサーバへ接続するように設定します。hostsファイルの場所は、以下の通りです。
    • Windows**: `C:\Windows\System32\drivers\etc\hosts`
    • Mac/Linux**: `/etc/hosts`
  3. hostsファイルをテキストエディタで開き、次のような行を一番最後に追加して保存します。
    111.222.333.444 www.example.com

    最初に新しいサーバのIPアドレスを書いてください。その後半角スペースを1ついれて(間違えて全角スペースをいれないで)、Webサイトのドメイン名を書きます。
  4. hostsファイルを保存した時点で、ルール上はそのパソコンからアクセスした場合は新しいサーバに繋がることになります。でも「ルール上」というのは、実際にはブラウザのキャッシュだったり、パソコンのキャッシュだったり(細かくは色々あるのですがここでは大雑把にキャッシュと思ってください)が残ることで、しばらくは未だ古いサーバに繋がる場合があります。その場合はパソコンを再起動したり、少しだけ時間をおいてから確認してください。

古いサーバに繋がっているのか、新しいサーバに繋がっているのか確認する方法

実はこれも結構みなさん悩まれるポイントだと思います。今回のようにサイトの引っ越しであれば、古いサーバも新しいサーバも、表示されるWebサイトは全く同じ(むしろ同じでなければ引っ越しにならない)です。つまり、どっちに繋がっているかぱっと見じゃ分からない、、わけですね。
弊社の場合はよく、新しいサーバだけにダミーのファイルを配置したりします。例えば「新サーバ」とだけ書いたテキストファイルをserver.txt等のファイル名で用意し、それも新サーバにアップロードするんです。
そして https://*****/server.txt 等にアクセスをして「新サーバ」と表示されれば、そのパソコンは新しいサーバに繋がっている、ということになります。

DNSの切り替え

自分のパソコンで新しいサーバが正常に動作していることを確認できたら、いよいよ本当の「DNSの切り替え」です。
これは実際にDNS設定の変更になるため、ドメインを管理しているレジストラの管理画面から行うのが一般的です。

以下に一般的なDNS設定の変更方法を記載します。

  1. ドメインを管理しているレジストラにログイン
    ドメインを管理しているレジストラ(例えばお名前.com、ValueDomainなど)の管理画面にログインします。
  2. DNS設定の編集
    DNS設定の編集画面に移動し、Aレコードを新しいサーバのIPアドレスに更新します。
    ※もしWebサイトの引っ越しだけではなく、サーバ全体の引っ越しとして、メールだったり、他のサービスも新しいサーバに引っ越すのであれば、上記のAレコードの更新だけでは終わりません。でもこの場合は、専門の業者に依頼してください。メールはメールで事前の設定が必要ですし、サービスによってはDNS設定の編集方法が大きく変わるからです。
    ※上記のAレコードの更新によるWebサーバの引っ越しは一般的な方法ですが、お使いのサーバによってはこの方法では実現できない場合もあります。事前にサーバの管理会社へこの方法で良いかどうか、確認されることをお勧めします。

サイトの動作確認

DNS切り替えをした後も、念のため、新しいサーバでWebサイトが正常に動作しているかどうか確認しましょう。実際にページを表示して、画像がちゃんと表示されているか、表示の崩れが起きていないか確認してください。問題がある場合はリストアに失敗しているかもしれません。次の章に動作確認の方法をまとめましたので、是非ご覧ください。

なお、DNSの切り替えをした後は、設定の変更がインターネット全体に反映されるまで、時間がかかる場合があります。これは数10分から長いと1日程度かかることもあります。この期間は、古いサーバと新しいサーバの両方にアクセスされる可能性があります。今自分が見ているサーバがどちらかわからない場合は↑に書いた「古いサーバに繋がっているのか、新しいサーバに繋がっているのか確認する方法」を使って確認してください。

※記載した内容はすべて一般論になります。この方法で引っ越しができないことがあっても、そこは自己責任ということでお願いいたします。