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興味を持ちそうなタイミングで実績をチラ見せ(トースト表示)

興味を持ちそうなタイミングで実績をチラ見せ(トースト表示)

こんにちは、WebディレクターのBigViです。東京はとても寒いので早く帰りたいです。。。もうすぐ私の国のベトナムもお正月です。

前にクライアントから「サービスの実績をもっとアピールしたい」という相談を受けました。でも「常に表示されるバナーは邪魔だから嫌だ」とも言われました。そのとき、私は「ミニ・トースト」という方法を提案しました。ユーザーがページを読み進めたタイミングで、右下に小さく実績を表示します。だいたいセクション2ぐらいです。1.5秒だけ見せて、すぐ消えます。邪魔にならないし、でもちゃんと目に入ります。

なぜ「第2セクション」で表示するのか

最初から表示すると、読者はまだ何も読んでいません。興味を持つ前に実績を見せても、あまり効果がないです。

でも、第2セクションまでスクロールした人はきっと「このサービス、気になるな」と思っています。そのときにたとえば「3,000社以上が利用中」と見せると、「多くの会社が使っているなら安心だ」という気持ちになります。これは「社会的証明」という考え方です。みんなが使っているものは良いもの、ということになります。

実装の概要

今回の実装は以下のポイントを守ります:

  • 第2セクションが画面に入ったら発火
  • 右下にミニ・トーストをフェードインで表示
  • 1.5秒だけ表示して、フェードアウトで消える
  • 音は鳴らさない、点滅もしない
  • 一度表示したら、同じページでは二度と表示しない
  • アニメーション苦手な人への配慮(prefers-reduced-motion)

HTML構造

HTMLはシンプルです。トーストのコンテナを作って、中に実績の内容を入れます。

<!-- 第2セクション(監視対象) -->
<section id="section-2" class="section">
  <h2>サービスの特徴</h2>
  <p>私たちのサービスは...</p>
</section>

<!-- ミニ・トースト(実績表示用) -->
<div class="social-proof-toast" id="socialProofToast" aria-live="polite" aria-atomic="true">
  <div class="toast-content">
    <span class="toast-number">3,000+</span>
    <span class="toast-text">社以上が利用中</span>
  </div>
</div>

aria-live="polite"を付けています。これはスクリーンリーダー向けの配慮です。「polite」は「他の内容を邪魔しないで、区切りの良いところで読み上げて」という意味です。

CSSでフェードイン/アウトを作る

CSSでアニメーションを作ります。最初は非表示で、クラスが付いたら表示します。

/* ミニ・トーストの基本スタイル */
.social-proof-toast {
  position: fixed;
  bottom: 24px;
  right: 24px;
  z-index: 1000;
  
  /* 初期状態:非表示 */
  opacity: 0;
  transform: translateY(20px);
  pointer-events: none;
  
  /* トランジション設定 */
  transition: opacity 0.3s ease-out, transform 0.3s ease-out;
}

/* 表示状態 */
.social-proof-toast.show {
  opacity: 1;
  transform: translateY(0);
  pointer-events: auto;
}

/* トーストの見た目 */
.toast-content {
  display: flex;
  align-items: center;
  gap: 8px;
  padding: 12px 20px;
  background: #ffffff;
  border-radius: 8px;
  box-shadow: 0 4px 12px rgba(0, 0, 0, 0.15);
  font-size: 14px;
}

.toast-number {
  font-size: 18px;
  font-weight: 700;
  color: #2563eb;
}

.toast-text {
  color: #374151;
}

/* アニメーション苦手な人への配慮 */
@media (prefers-reduced-motion: reduce) {
  .social-proof-toast {
    transition: opacity 0.1s ease-out;
    transform: none;
  }
  
  .social-proof-toast.show {
    transform: none;
  }
}

ポイントはprefers-reduced-motionです。アニメーションが苦手な人や、動きに酔いやすい人のために、動きを最小限にします。

JavaScriptで発火タイミングを制御

IntersectionObserverを使って、第2セクションが画面に入ったかを監視します。

document.addEventListener('DOMContentLoaded', function() {
  const section2 = document.getElementById('section-2');
  const toast = document.getElementById('socialProofToast');
  
  // 要素がなければ何もしない
  if (!section2 || !toast) return;
  
  // すでに表示済みかチェック(sessionStorageで管理)
  const alreadyShown = sessionStorage.getItem('socialProofShown');
  if (alreadyShown) return;
  
  // IntersectionObserverを作成
  const observer = new IntersectionObserver(function(entries) {
    entries.forEach(function(entry) {
      // 第2セクションが画面に入ったら
      if (entry.isIntersecting) {
        showToast();
        
        // 一度だけ実行するので、監視を止める
        observer.unobserve(section2);
      }
    });
  }, {
    threshold: 0.3  // 30%見えたら発火
  });
  
  // 監視開始
  observer.observe(section2);
  
  // トーストを表示する関数
  function showToast() {
    // 表示
    toast.classList.add('show');
    
    // 表示済みフラグを保存
    sessionStorage.setItem('socialProofShown', 'true');
    
    // 1.5秒後に非表示
    setTimeout(function() {
      toast.classList.remove('show');
    }, 1500);
  }
});

このコードのポイントを説明します。

sessionStorageで表示済み管理
同じページで何度もスクロールしても、トーストは一度だけしか表示しません。sessionStorageを使っているので、タブを閉じたらリセットされます。「しつこい」と思われないための工夫です。

threshold: 0.3
セクションの30%が画面に入ったら発火します。これより小さいと、ちょっとスクロールしただけで発火してしまいます。

1500ミリ秒(1.5秒)で消える
長すぎると邪魔だし、短すぎると読めません。1.5秒がちょうどいいです。

動作デモ(CodePen)

実際の動きはこちらで確認できます。スクロールして第2セクションに入ると、右下にトーストが出ます。

やってはいけないこと

この実装で絶対にやってはいけないことがあります。私は最初にやってしまって、リーダーに怒られました。

音を鳴らさない

通知音が鳴ると、ユーザーはびっくりします。そして、二度とそのサイトに来なくなります。

点滅させない

「注目してほしいから点滅させよう」は最悪のアイデアです。目がチカチカするし、てんかんの人には危険です。

常時表示しない

1.5秒だけです。ずっと表示していると、コンテンツの邪魔になります。

何度も表示しない

同じページで何度も表示すると、うるさいです。一度だけにしてください。

実際の効果

私が実装したプロジェクトでは、以下の結果が出ました。

  • 離脱率:変化なし(悪くなっていない、これ大事です)
  • お問い合わせフォームへのクリック率:2%向上

大きな数字ではないですが、実装コストは低いです。CSSとJavaScript合わせて50行ぐらい。それでこの効果なら、やる価値はあると思います。

まとめ

今回のポイントは以下の3つです:

  1. タイミングが大事:興味を持ったタイミング(第2セクション到達時)で表示する
  2. 邪魔にならない:1.5秒だけ、音なし、点滅なし、一度だけ
  3. 効果を測る:A/Bテストで離脱率と次セクション到達率を確認

「社会的証明」は強力な心理効果です。でも、使い方を間違えると逆効果になります。この実装なら、ユーザー体験を損なわずに信頼感を伝えられます。

株式会社ファストコーディングでは、こうした実装のサポートも行っています。ご興味がある方はお問い合わせフォームからご連絡ください。

※本記事は弊社外国人スタッフによる投稿です。言い回しや表現が不十分な個所がありますことご容赦いただきますようお願いいたします。
株式会社ファストコーディング