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“UIが綺麗なのに売れない”案件が多い理由

株式会社ファストコーディングで営業を担当しています長谷川と申します。お客様とお話ししていて気づいたことや、フロントエンド開発・コーディング制作界隈で最近流行っていることを書いていこうと思っております。どうぞ宜しくお願いします。

最近、LPやコーポレートサイトのリニューアル案件でお客様とお話ししていると、こんな相談が増えています。

「デザインにはかなり投資したんですけど、コンバージョンが全然伸びなくて……」

正直なところ、この相談は珍しくありません。年に何度もいただきます。デザインの品質は高い。画像も洗練されている。UIパーツも今風で美しい。それなのに、お問い合わせやお申し込みにつながらない。こうした案件には、ある共通した構造があります。今回はその構造を、営業の立場からお話しします。

「見た目が良ければ売れる」は本当か

まず前提として、UIの品質が高いこと自体は間違いなく良いことです。第一印象で離脱されてしまうサイトでは、どんなに良い商品でも見てもらえません。問題は、「見た目を良くする=成果が出る」と直結させてしまう思考にあります。

あるお客様がこうおっしゃっていました。

「前のサイトはデザインが古くて数字が悪かったから、今回はデザインに力を入れたんです。でも数字が変わらない」

このケースでは、デザインの古さが原因で成果が出ていなかったのではなく、別の要因がずっと放置されていたのです。リニューアルでデザインだけが改善され、本来の課題がそのまま残ってしまった。こうした構造は非常に多いと感じています。

成果が出ないサイトに共通する3つの原因

これまで営業として数多くのLP・サイト改善案件に関わってきた中で、「UIは綺麗なのに成果が出ない」サイトに共通する原因をまとめると、次の3つに集約されます。

原因1:行動導線が設計されていない

これが最も多い原因です。ページの見た目は美しいのに、ユーザーが「次に何をすればいいか」がわからない状態になっている。

先月、BtoB向けサービスのLPを運用されているお客様から相談を受けました。

「PVはそこそこあるんですけど、フォームまで辿り着く人がほとんどいなくて」

実際にそのLPを拝見すると、サービスの特徴が美しいカードUIで並んでいて、ビジュアルとしては申し分ありません。ただ、CTAボタンがページ最下部にしかなかったのです。しかも、サービス紹介のセクションが5つあり、その間にはボタンもリンクもない。ユーザーは途中で「もういいかな」と離脱してしまっていたわけです。

この場合に必要なのは、デザインの変更ではなく、導線の追加です。各セクションの区切りに適切なCTAを配置する。ユーザーが「ここで問い合わせたい」と思ったタイミングで行動できるようにする。これだけで、フォームへの到達率は大きく変わります。

原因2:ページの目的とユーザーの期待がずれている

次に多いのが、「何のためのページなのか」が曖昧なケースです。

あるECサイトのお客様で、商品一覧ページをリニューアルした案件がありました。デザインは非常に洗練されていて、商品画像も大きく、ブランドの世界観がしっかり表現されていました。

ところが、リニューアル後にCVRが下がったのです。

原因を調べてみると、ユーザーの多くは「比較して選びたい」という目的でそのページに来ていました。しかし新しいデザインでは、商品ごとに大きなビジュアルが配置されており、一覧性が失われていた。価格やスペックの比較がしづらくなっていたのです。

ブランドの世界観を伝えることと、ユーザーが求めている情報を提供することは、必ずしも同じではありません。ページの目的を「誰が」「何のために」訪れるかという視点で定義しないまま、デザインだけを進めてしまうと、こうしたズレが生まれます。

原因3:提案の出発点が「見せ方」になっている

3つ目は、制作会社やディレクター側の提案の仕方に関わる問題です。

営業としてお客様と制作会社の間に立つ機会が多いのですが、提案資料を見ていて気になることがあります。それは、「こういうデザインにしましょう」から提案が始まっているケースです。

「今はこういうデザインがトレンドなので、御社もこの方向で」

お客様からすると、トレンドに合わせたデザインを提案してもらえるのは頼もしく感じるかもしれません。ただ、本来の提案の出発点は「御社の課題は何か」「ユーザーに何をしてほしいのか」であるべきです。

見せ方から入る提案は、デザインの話が先行して、成果に直結する導線設計やコンテンツの優先順位が後回しになりがちです。結果として、見た目は美しいけれど「何をしてほしいのかが伝わらないページ」ができあがることがあります。

ディレクターが提案時に避けるべき3つの罠

ここからは、Webディレクターやプロジェクトマネージャーの方に向けて、提案時に陥りやすい罠をお伝えします。営業として提案の現場に同席してきた経験から、繰り返し見てきたパターンです。

罠1:「競合サイトを参考にしましょう」で止まる

競合調査は大切ですが、「競合がこうしているからうちも」という提案で終わってしまうケースがあります。競合のサイトは、競合のターゲットと目的に最適化されたものです。それをそのまま真似ても、自社の成果には直結しません。

競合を参考にするなら、デザインの見た目ではなく、「なぜその導線を組んでいるのか」「どんなユーザー行動を想定しているのか」を分析するほうが有益です。

罠2:「ファーストビューがすべて」と考えてしまう

ファーストビューは確かに重要ですが、そこにリソースを集中しすぎて、スクロール後のコンテンツや中間CTAの設計がおざなりになるケースがあります。

実際に、ファーストビューの改善に3回のA/Bテストを実施したお客様がいらっしゃいました。しかし数字は改善されませんでした。その後、ページ中盤に「導入事例」セクションとCTAボタンを追加したところ、フォーム到達率が改善された。ファーストビューの問題ではなく、中盤以降の設計の問題だったのです。

罠3:デザインの承認を「ゴール」にしてしまう

これはプロジェクト進行の構造的な問題です。デザインカンプをお客様に承認していただくことがプロジェクトのマイルストーンになるため、デザインの承認を得ることに意識が集中してしまう。

その結果、「お客様が気に入るデザイン」は完成するのですが、「ユーザーが行動するページ」になっているかどうかの検証が不足する。デザインの承認はあくまで中間地点であり、最終目的は成果を出すことです。この意識を持っているかどうかで、提案の質は大きく変わります。

「導線」を見直すだけで数字が変わった事例

ここで、実際に導線の見直しで成果が改善した事例を紹介します。

あるBtoBサービスのお客様で、月間のフォーム送信数が伸び悩んでいました。デザインは半年前にリニューアルしたばかりで、見た目には問題がない。しかし、ユーザーの行動データを確認すると、サービス紹介ページの中盤で大半が離脱していました。

改善として実施したのは、次の3つです。

  • サービス紹介の各セクション末にCTAボタンを配置(それまではページ最下部のみ)
  • お客様の声(導入事例)をページ上部に移動し、信頼性を早い段階で提示
  • フォームの入力項目を8項目から4項目に削減

デザインは一切変更していません。変えたのは「導線」と「コンテンツの配置順」だけです。この改善によって、フォーム到達率が改善され、月間のフォーム送信数も増加しました。

お客様からは「デザインを変えなくていいんですか?」と聞かれましたが、今回のケースではデザインに問題はなかったのです。問題は、ユーザーが行動するタイミングと、CTAの配置がずれていたことにありました。

成果を出すために最初に考えるべきこと

ここまでの話をまとめると、「UIが綺麗なのに成果が出ない」ケースでは、次の順番で改善を考えることが重要です。

まず確認すべきポイントは以下の3つです。

  • ユーザーがそのページに来る目的と、ページの内容が一致しているか
  • ユーザーが「行動したい」と思ったタイミングで、CTAが配置されているか
  • フォームや申し込みのハードルが不必要に高くなっていないか

これらを確認してから、デザインの改善に取りかかる。この順番を守るだけで、改善の精度は大きく変わります。UIの美しさは成果を出すための十分条件ではなく、必要条件のひとつにすぎないのです。

先日、ゴルフの帰りに一緒にラウンドした方から「うちのサイト、きれいに作ったのに問い合わせが来ないんだよ」と相談されました。話を聞いてみると、やはり導線の話でした。「きれいに作る」と「成果を出す」は別の仕事であること。これは、営業として何度でもお伝えしていきたいと思っています。

まずはご相談ください

株式会社ファストコーディングでは、デザインの制作だけでなく、成果を出すための導線設計やUI改善のご相談にも対応しています。「見た目は整っているのに数字が伸びない」「リニューアルしたのにCVRが変わらない」といったお悩みがありましたら、お問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。お客様の状況に合わせて、どこから手を付けるべきかを一緒に考えます。