株式会社ファストコーディング 営業の長谷川です。お客様とお話ししていて気づいたことや、営業現場で見てきたことを書いていっております。
今回のテーマはフロントエンド開発やコーディング代行に限らない話になりますが、「スケジュール遅延」です。お客様からよくこんな質問をいただくんです。「なんでWeb制作ってこんなに遅れるの?」「最初に聞いた納期と全然違うんだけど」って。
正直に申し上げますと、技術的な問題で遅れることは実はあまりないんです。むしろ、遅延の原因の大半は「人間側の事情」なんですよね。今日は、営業として何百件ものプロジェクトを見てきた中で気づいた、スケジュールが遅れる本当の理由をお話しします。
遅延の原因ベスト5
まず、営業現場で何度も見てきた遅延の原因トップ5を紹介します。技術的な問題ではなく、すべて「人」が関わる部分です。
- 承認フローの遅れ – 決裁者への確認待ちが1週間、2週間…
- 素材の未提供・差し替え – 「画像はまだですか?」「やっぱりこっちで」
- 意思決定者の不在 – 「担当者が出張中で確認できません」
- 要件の後出し・追加 – 「あ、そういえばこの機能も欲しいんだけど」
- フィードバックの曖昧さ – 「なんかイメージと違う」「もっといい感じで」
これ、見覚えありませんか?PMやディレクターの方なら、きっと「あるある」と頷いていただけるんじゃないでしょうか。
1位:承認フローの遅れ
これが一番多いんです。先日も、大手企業のお客様からこんな相談がありました。
「デザイン案を3つ出してもらったんだけど、役員会議が月1回しかなくて…次の会議まで2週間待ってもらえますか?」
2週間です。その間、制作チームは次の工程に進めません。こういうことが何度も重なると、当初3ヶ月の予定だったプロジェクトが半年になってしまうんですよね。
特に大企業や官公庁のプロジェクトでは、承認者が複数いて、それぞれのスケジュールを調整するだけで1ヶ月かかることもあります。担当者の方は「早く進めたい」と思っているのに、組織の仕組みがボトルネックになっているんです。
営業が事前にやっている工夫
私たちは、プロジェクト開始前に必ず「承認フローの確認」をします。具体的には:
- 誰が最終決裁者なのか
- 承認にかかる期間はどのくらいか
- 承認会議の開催頻度はどうか
- 緊急時の承認ルートはあるか
これを最初に確認しておくだけで、スケジュールの精度が格段に上がります。「承認に2週間かかる」とわかっていれば、最初からスケジュールに組み込んでおけますから。
2位:素材の未提供・差し替え
これも本当に多いんです。お客様からよく聞くのが「画像なんてすぐ用意できるでしょ」という言葉。でも、実際にはそうじゃないんですよね。
先月も、ECサイトのリニューアル案件でこんなことがありました。商品画像が300点必要だったんですが、「撮影は済んでいる」と聞いていたのに、いざ蓋を開けてみたら:
- 撮影はしているけど、まだレタッチが終わっていない
- 背景の切り抜きが必要だった
- 一部の商品は撮影自体がまだだった
結局、素材が全部揃うまでに1ヶ月半かかりました。その間、デザインも実装も進められません。
もっと困るのが「差し替え」です。「やっぱりこの画像じゃなくてこっちで」「テキストを全部変更したい」。気持ちはわかるんですよ。でも、それってデザインからやり直しなんです。
営業が事前にやっている工夫
素材については、プロジェクト開始前に「素材チェックリスト」を作ります:
- どんな素材が何点必要か
- サイズや形式の指定
- 納品予定日
- 責任者は誰か
そして、「素材が揃っていることを確認してから実装フェーズに入る」というルールを明確にしておきます。お客様には「素材待ちで遅れても、納期は延びませんよ」とはっきり伝えることが大事なんです。
3位:意思決定者の不在
これ、本当に困るんです。打ち合わせの場に来ている担当者の方は熱心なんですが、「これ、社長に確認しないと決められないんです」となると、プロジェクトが止まってしまいます。
実際にあったケースをご紹介します。ある中小企業のコーポレートサイト制作で、デザインの方向性を決める打ち合わせをしたんです。担当者の方は「これでいきましょう!」と言ってくださったんですが、翌週になって:
「社長に見せたら、『派手すぎる』って言われました。もっと落ち着いた感じでお願いします」
最初からそう言ってくれれば…と思うんですが、担当者の方も板挟みで大変なんですよね。
もっと困るのが、意思決定者が長期出張や海外赴任で連絡が取れないケース。「来月まで連絡つきません」と言われると、こちらとしても手の打ちようがありません。
営業が事前にやっている工夫
プロジェクト開始時に、必ず「キックオフミーティング」を設定します。そこには意思決定者全員に参加していただくようにお願いしています。
また、重要な決定事項については「この日までに確認が必要です」と明確にデッドラインを伝えます。そして、「この日までに回答がない場合は、制作側の判断で進めさせていただきます」という合意も取っておきます。
4位:要件の後出し・追加
これも本当に多いんです。最初の要件定義では「シンプルなコーポレートサイトで」と言っていたのに、途中から:
- 「会員機能も欲しい」
- 「決済機能も必要だった」
- 「多言語対応もお願いしたい」
それ、最初から言ってくれれば見積もりもスケジュールも全然違ったのに…と思うことが何度もあります。
お客様にとっては「追加」のつもりでも、制作側から見ると「根本的な設計変更」になることも多いんです。例えば、会員機能を後から追加するとなると、データベース設計から見直しになります。
先日も、「SNS連携も入れたい」と実装フェーズで言われたことがありました。それって、セキュリティ設計も変わるし、テストの工数も増えるんです。「ボタン1つ追加するだけでしょ?」と思われがちなんですが、全然違うんですよね。
営業が事前にやっている工夫
要件定義の段階で、「今後追加される可能性がある機能」も全部出してもらうようにしています。「今は予算がないけど、将来的には欲しい」というものも含めて。
そして、「要件が追加された場合は、別途見積もりと納期調整が必要です」ということを契約書に明記しておきます。これがないと、お客様は「無料で追加してくれる」と思ってしまうんですよね。
5位:フィードバックの曖昧さ
これが一番デザイナーやエンジニアを悩ませる原因かもしれません。お客様からのフィードバックが:
- 「なんかイメージと違う」
- 「もっといい感じで」
- 「もうちょっと派手に」
- 「プロっぽくしてほしい」
これ、どう直せばいいんでしょうか?制作チームは困ってしまいます。
実際にあった例では、「もっと明るい感じで」というフィードバックをいただいて、配色を明るくしたら「いや、そういう意味じゃなくて、雰囲気を明るく」と言われました。じゃあ、雰囲気って何ですか?となるわけです。
曖昧なフィードバックは、修正の繰り返しにつながります。1回の修正で終わればいいんですが、3回、4回と繰り返すうちに、最初のデザインに戻ってくることもあります。その間、スケジュールはどんどん遅れていきます。
営業が事前にやっている工夫
フィードバックのテンプレートを用意しています。例えば:
- 「この部分の色を、#FF0000に変更してください」(具体的)
- 「ボタンの位置を、右上から左上に移動してください」(明確)
- 「参考サイト:〇〇のような雰囲気にしてください」(イメージ共有)
そして、「なんか違う」というフィードバックをいただいたら、「具体的にどの部分がどう違いますか?」「参考になるサイトはありますか?」と逆質問して、具体化するようにしています。
PMやディレクター向けのアドバイス
ここまで読んでいただいた方は、「じゃあ、どうすればいいの?」と思われていると思います。営業の立場から、PMやディレクターの方にお伝えしたいアドバイスをまとめます。
1. プロジェクト開始前の「準備期間」を設ける
いきなり制作に入るのではなく、最初の1〜2週間を「準備期間」として設定します。この期間で:
- 承認フローの確認
- 素材の確認と納品スケジュール設定
- 意思決定者の特定とスケジュール調整
- 要件の最終確認
これをやるだけで、後からの遅延が大幅に減ります。
2. 「バッファ」を見える化する
スケジュールには必ずバッファ(余裕)を持たせますが、それをお客様に隠さないことが大事です。
「承認待ち期間:2週間」「予備期間:1週間」というように、スケジュール表に明記します。そうすると、お客様も「ここで遅れると、予備期間を使うことになる」と理解してくださいます。
3. 「決定事項リスト」を作る
打ち合わせの度に、「今日決まったこと」をリスト化して共有します。そして、「この決定事項は変更しない」という合意を取ります。
もし変更したい場合は、「変更依頼書」を出してもらい、影響範囲とコストを見積もってから判断します。これがないと、なし崩し的に要件が増えていってしまいます。
4. 定期的な「進捗共有会」を設定する
週1回、あるいは2週間に1回、進捗を共有する場を設けます。ここで:
- 今週やったこと
- 来週やること
- 遅れている部分とその理由
- お客様に依頼したいこと
これを共有することで、「知らない間に遅れていた」ということがなくなります。
5. 「お客様側のタスク」も明確にする
スケジュール表には、制作側のタスクだけでなく、お客様側のタスクも明記します。
- 素材提供:〇月〇日まで
- デザイン承認:〇月〇日まで
- 原稿確認:〇月〇日まで
これがあると、お客様も「自分たちにも責任がある」と理解してくださいます。
結局、コミュニケーションが全て
ここまで読んでいただいてわかると思うんですが、スケジュール遅延の原因は、ほとんどが「コミュニケーション不足」なんです。
- 事前に確認していれば防げた遅延
- 明確に伝えていれば避けられた手戻り
- 定期的に共有していれば早期に対処できた問題
技術的な問題は、エンジニアが解決できます。でも、人間関係やコミュニケーションの問題は、技術だけでは解決できません。だからこそ、営業やPM、ディレクターの腕の見せ所なんですよね。
まずはご相談ください
株式会社ファストコーディングでは、こうした「人間側の問題」も含めて、プロジェクトを成功に導くためのサポートをしています。
「今のプロジェクト、スケジュールが心配で…」「以前、大幅に遅れて困ったことがある」という方は、ぜひ一度ご相談ください。プロジェクト開始前の準備段階からお手伝いすることで、遅延のリスクを大幅に減らすことができます。
お問い合わせはこちらのフォームからどうぞ。お客様のプロジェクトが成功するよう、全力でサポートいたします。

