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【完全版】絶対に失敗しない!WordPressの引っ越し《その4~リストア(アップロード)編~》

ファイルデータとデータベースのバックアップが完了したら、次のステップはそれらを新しいサーバへリストア(アップロード)することです。

バックアップしたデータをアップロードするだけ、、、になるのですが、実際にはファイルとデータベース各々で作業が必要になり、またwp-config.phpという、WordPressの設定ファイルの更新も必要です。この章では、ファイルデータとデータベースを新サーバにリストア(アップロード)する際の具体的な手順を解説します。

ファイルデータのリストア

まず、バックアップしたファイルデータを新しいサーバにアップロードします。この作業はおおよそ以下の手順で行います。

  1. FTPクライアントの使用
    バックアップ時と同様に、FTPクライアント(FileZillaなど)を使用して、ローカルマシンに保存したWordPressのファイルを新サーバにアップロードします。新しいサーバのWebルートディレクトリ(通常は `public_html` や `www` ディレクトリ)にすべてのファイルをアップロードします。
    ※管理パネルからのアップロード一部のホスティングサービスでは、管理パネルからファイルのアップロードが可能です。その場合はファイルマネージャを使用して、バックアップファイルを選択し、同様にWebルートディレクトリにアップロードしても構いません。
  2. `wp-content` ディレクトリは、WordPressがメディアファイルを保存したり、プラグインをダウンロードする場所です。よってWordPressから書き込みができるように、権限設定をする必要があります。
    一般的なレンタルサーバであれば、この設定は不要で、FTP等でアップロードしたときに適切に権限設定がされています。念のため以下の権限になっているかどうか確認をしておいてください。
    • ディレクトリ権限: 755
    • ファイル権限: 644

これで、ファイルデータのリストアが完了です。

データベースのリストア

次に、データベースのリストアを行います。これには、phpMyAdminやMySQLクライアントを使用します。

  • phpMyAdminの使用
    新サーバのphpMyAdminにアクセスし、データベースを選択してから「インポート」タブをクリックします。次に、バックアップ時にエクスポートしたSQLファイルを選択し、「実行」をクリックすると、データベースのリストアが開始されます。
  • MySQLクライアントの使用 ※上級者向け
    もしSSH環境があるようなサーバ(そして逆にphpmyadminのようなWebインターフェイスの利用が制限されているサーバ)であれば、コマンドを利用することも可能です。といいますかそれしか方法は無いんじゃないかと思います。
    バックアップしたsqlファイルをSSH環境でアクセスできるディレクトリにFTP等でアップロードし、
    mysql -u ユーザー名 -p データベース名 < backup.sql
    というような形で実施いただけます。
    ただ、これは上級者向けなので、自信が無いならばプロに依頼するようにしてください。

プラグインを使用したリストア

プラグインを使ってバックアップした場合は、そのプラグインを使用してリストアを行います。例えば、「UpdraftPlus」や「All-in-One WP Migration」を使っている場合、以下の手順でリストアが可能です。

  1. 新サーバに標準の状態のWordPressをインストールし、引っ越し元で利用したのと同じプラグインもインストールします。
  2. プラグインの手順に従って、引っ越し元で取得したバックアップファイルを使ってインポート作業を行います。例えば「All-in-One WP Migration」の場合、バックアップファイルをアップロードするだけで、ファイルデータとデータベースが一度にリストアされます。
  3. 設定の確認リストアが完了した後、サイトの動作確認を行い、必要に応じてプラグイン設定を調整します。プラグインを使用したリストアでは、この段階ですべてのリストア作業が完了しており、wp-config.php の設定変更は不要です。

wp-config.phpの更新

リストア作業の中で忘れてはいけないのが「wp-config.php」の更新です。

wp-config.phpはWordPress全体の動作やデータベースへの接続設定が記述されたファイルになります。ファイル名にPHPと入っているのでお分かりかもしれませんが、中身はPHP言語で記述されたプログラムになります。といっても、引っ越し作業でおおよそ更新が必要になるのは「データベース接続設定」になりますので、プログラミングをすることはありません。単にテキストを書き換えるだけになります。

一般的なテキストエディタで開いて、以下の部分を更新してください。

<?php
/*** 省略 ***/

// ** MySQL 設定 - この情報はホスティング先から入手してください。 ** //
/** WordPress のためのデータベース名 */
define( 'DB_NAME', 'database' );

/** MySQL データベースのユーザー名 */
define( 'DB_USER', 'dbuser' );

/** MySQL データベースのパスワード */
define( 'DB_PASSWORD', 'dbpassword' );

/** MySQL のホスト名 */
define( 'DB_HOST', 'localhost' );

更新する場所内容
database と書いてある部分新しいサーバで利用するデータベース名を書いてください
※データベースサーバの名前やアドレスではなく、データベースの名前です。ここ混同しやすいのですが間違えないようにしてください。
dbuser と書いてある部分上記で記述したデータベースを利用するためのユーザ名(ID)を書いてください。
dbpassword と書いてある部分上記で記述したデータベースを利用するためのパスワードを書いてください。
※ユーザ名に対するパスワード、と言う方が自然かもしれません
localhost と書いてある部分データベースサーバの名前もしくはアドレスを書いてください。
※database、dbuser、dbpassword、localhostの部分は、実際は引っ越し元サーバのデータベース設定になっています。ここではサンプルとして表示しています。
※稀に、他にも書き換えないといけない箇所があるときもあります。引っ越し元サーバがレンタルサーバ以外の場合によくあります。この場合は引っ越し先サーバの設定によって書き換え方が多々あるため、専門の業者へ依頼をしてください。

最後に書き換えたwp-config.phpを再度新しいサーバへアップロードしてください。先ほどご案内したFTP等を使って上書きでアップロードすればOKです。

次はいよいよ新サーバへ切り替え

これでファイルデータとデータベースのリストアは完了です。これは引っ越し先にデータが入った状態を意味します。

でもこれは単にデータが入っただけ、であって、実際にWebサイトとして利用するには、サイトのドメインから引っ越し先のサーバにアクセスを行うように「ドメインの切り替え」をしなければなりません。次の章で「ドメインの切り替え前のテスト & ドメインの切り替え」をご案内します。