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【第3章】コーディング代行サービスの選び方

初めてのコーディング代行シリーズ3「コーディング代行サービスはどう選ぶ?」

初めてのコーディング代行シリーズ

コーディング代行会社がお届けする「初めてのコーディング代行」シリーズ!全4章の第3弾です!
「聞いたことはあるけど、使ったことはない」「どんなことしてくれるのかわからない」「メリットがあるのか」など、使ってみないとわからないことも多いこの代行サービスを、今回はシリーズ化して詳しく解説しています。

前回は、HTMLコーディング代行サービスを使っているのはどんな人なのかについてお話させていただきました。
今回は逆に、「コーディング代行サービス」を提供している会社はどんな会社なのかや、コーディング代行サービスを選ぶ際のポイントについてご案内します!

【第3章】コーディング代行サービスの選び方

「コーディング代行」でウェブ検索すると、かなりの数のコーディング代行会社がヒットします。色々特徴もあるようだけど、でも初めてだと何が良いのか・・・

そこで!この章ではそんなお悩みに応えるべく、コーディング代行サービスを選ぶ際のポイントや注意点をまとめてみました。
実際に選ぶ際にぜひ参考にして自分にぴったりなコーディング代行会社を見つけてください!

コーディング代行サービス選ぶ際のポイント

弊社自身もコーディング代行会社の1つです。ですので、この業界のことも同業の他の会社さんのこともしっかりと日々研究しております!
その観点から見まして、以下の7つのポイントがとっても大事だと思います。このポイントに絞って各社をチェックすれば、安心して自身のプロジェクトを任せられること間違いなし!

1. HTMLコーディングとCSSを使った、デザインの再現能力

やはり、何といっても一番重要なポイントは、そのコーディング代行サービスの持つ技術力と専門知識ですが、具体的には、

レスポンシブコーディングを使って「どんなデバイスやブラウザでも」きれいに表示できるか

レスポンシブコーディングを使ってパソコンやスマートフォン、タブレットできれいに見せる、これ自体はもう当たり前で、できないコーディング代行会社はほぼないと思います。でも実は「どんなデバイスやブラウザでも」きれいに表示させられるか、は結構難易度の高いことなんです。

一口にパソコンやスマートフォン、タブレットと言っても、実際に画面の大きさはとてもたくさんの種類があります。また、パソコンであれば画面の大きさ自体はマウスでも変えていけますので、事実上は無限にあると言えます。そんな色々な画面サイズで表示しても絶対に崩れず、また元のデザインと同じように見せることができるかが、コーディング代行会社の腕の見せ所です!

実際、コーディング代行サービスの世界では「パーフェクトピクセル」という言葉を使います。これはデザインデータと見比べて1pxの違いも無くブラウザ上で再現することを意味します。パーフェクトピクセルで作成しないと、デザインと若干違う、、、コーディングが仕上がってしまうので、依頼を検討しているコーディング代行会社がパーフェクトピクセルに対応しているかどうかは必ず確認しましょう。

2. SEOやページ表示速度に関する知識と経験

コーディング代行サービスを選ぶ際には、そのコーディング代行会社がSEOやページ表示速度に関する知識や経験を持っているかどうかも確認してください。いまやWEBサイトを作る際は必ず考えるSEOですが、これも、コーディングと密接に関係しているんです。

まずは基礎中の基礎になりますが、、「SEOフレンドリー」なHTMLやCSSを理解しているか、という点を確認してください。「SEOフレンドリー」という言葉はもう古い言葉ですが、SEO自体が未だ日進月歩で進化しているので、この言葉がさす意味もどんどん変わっています。単にHTMLやCSSのエラーが無いという話だけではなく(それは当たり前のことで)、検索エンジンが読みやすくて理解しやすいのはどういう構造なのか、を考えてコーディングをしなければならないんです。

またページの表示速度が遅いのも最近のSEOではご法度です。Googleはページ表示速度をランキング要因として重視していて、ほんの0.数秒速度が変わるだけで、検索結果でのランキングが下がり、ウェブサイトの訪問者数が激減する、ということもあるんです。この表示速度は、コーディングとかなり関係していて、同じデザインでもコーディングの書き方が違えば、速度は相当変わります。

簡単にですが、コーディング代行会社がSEOに強いコーディングを行うためには、以下のポイントを理解しているかが重要です。

  • CSSやJavaScriptの最適化:コードの圧縮(ミニファイ化)や不要なファイルの削除といった基礎に加えて、「表示される領域」の順序と内容に応じて、コードの構造と書き込む位置を工夫しているか、というような細かなところまで配慮することにより、ページの読み込み速度を向上させます。
  • 画像の最適化:適切なサイズの画像を使用し、必要に応じて新しいフォーマット(例:WebP)に変換することで、画像の読み込み時間を短縮します。単に画像ファイルの大きさを小さくする、ではなく、ちょうどいい具合のサイズと品質を保てるようにコーディングをするというのが腕の見せ所です。
  • JavaScriptの最適化:いまやWEBサイトを作る上では必ず利用されるJavaScriptですが、これもどう書くかで、相当ページスピードが変わってきます。大まかに言えば「動作するタイミングの調整」になります。

これらの対策ですが、実際の内容はかなり難解ですので、まずは質問をしてみて分かりやすい回答が出せるかどうか、で各社を比較してみるといいんじゃないかと思います。

3. 実績やお客様の声などの他社事例があるかどうか

どんなサービスでも共通ですが、やはり実績やレビューがあるかは大事です。実績が豊富であることは、信頼性の証です。多くのプロジェクトを成功させている企業は、さまざまな課題に対応できる力を持っています。

コーディング代行会社のホームページに、実際に利用した方の声や制作実績が掲載されている場合は、安心できると思います。特にどういうプロジェクトでどういう対応だったか、というような具体的なやり取りの話が書いてある場合、そのコーディング代行会社と依頼主のクライアントとはとてもコミュニケーションが取れていて、情報を掲載することに許可を得られているということなので、すなわち満足度が高い結果と考えられます。

4. 料金体系の明確さ

多くのコーディング代行会社の料金は以下のように設定されています。

初期費用+ページ数やページの長さに応じたページ毎の費用+オプション費用

初期費用は会社によってかなりばらつきがあります。まったく費用のかからない会社もあれば、コーディングの種類によって変わる場合もあるようです。
→レスポンシブコーディングなのかリキッドコーディングなのか等。詳しくは、こちらのブログを参照してください
ページ数や長さによる料金体系は各社ともおおよそ似ているのですが、ページ数が増えるとボリュームディスカウントがある場合もあります(弊社もそうです)

一番各社で違いがあらわれるのが、オプション費用です。
まず、そもそも何が標準料金内でできて、何がオプション(追加)になるのかという定義が、コーディング代行会社毎にばらばらです。会社によってはページ内のスライダー1つからオプションになる場合もあります。
この部分が各コーディング代行会社によって料金がばらつく最も大きな要因です。

なので、どうしても見積もりを取らないと確実な金額は分からない、でも比較をする段階では細かく仕様を伝えるのも一苦労。。
そういう時に使いやすいのが「自社のホームページと(もしくは〇〇のサイトと、、)同じものを作ったらいくらになりますか?」という質問です。(弊社でも本当によくこの質問をいただきます)
つまり今あるホームページを1つ伝えて、それと同じウェブサイトならいくらで作れますか?という聞き方をするのです。もちろん概算になるとは思いますが、そこでオプションの詳細もわかりますし、実際概算であっても金額の比較ができて外注依頼先を絞り込みやすくなると思います。

ホームページに書いてある料金表の値段だけではなく、実際に見積もりを取ってみて詳細に料金の明確さをチェックしてみてください!

5. サポート体制

コーディング代行サービスを利用するにあたって、窓口となる担当営業や担当ディレクタがいるかどうかもポイントのひとつです。
担当がいなくて、質問すると毎回違う人から連絡があったり、聞きたいことがある時にどこに連絡をしたら良いかわからない、という場合はかなり危険です。というのも、プロジェクトごとに専任の担当がいなければ、そのプロジェクトの仕様の理解も薄くなり、間違ったコーディングが納品されることに繋がるからです。

また、連絡手段がメールだけではなく、電話やコミュニケーションツール(SlackやChatworkなど)にも対応しているかどうかも重要です。どのようなコミュニケーションツールが利用可能かを前もって確認しておくと良いでしょう。

さらに、対面も含めた打ち合わせができるかどうかも確認しておきましょう。最近はオンラインミーディングが主流ですが、規模の大きいプロジェクトや期間の長いプロジェクトの場合は、キックオフミーティングは実際に会って細かい仕様を確認した方が後々の安心感が変わってきます。
拠点が複数ある会社ですと比較的打ち合わせがしやすいので、その点もチェックしてみると良いかもしれません。

コーディング代行サービスは、技術力も大切ですがコミュニケーションや進捗管理も同じくらい大切です。プロジェクト管理やコミュニケーションツールが適切に整っているかどうか、コミュニケーションは綿密に取れるかどうかを確認することは、依頼をする前に確認をしておくべきです。

6. テスト環境がしっかり揃っているか

コーディング代行会社のテスト環境がしっかりと整っていることも非常に大切です。適切なテスト環境がないと、ウェブサイトが期待通りに動作しない可能性があり、結果としてユーザーエクスペリエンスが損なわれることがあります。

まず、テストするデバイスやOS、ブラウザのバージョンがしっかりと決められているかどうかを確認することが必要です。異なるデバイスやOS、ブラウザでの動作確認を行うことで、ウェブサイトがどの環境でも一貫して正しく表示され、機能することを保証できます。例えば、最新のiOSやAndroidデバイス、WindowsやmacOSの異なるバージョン、そして主要なブラウザ(Chrome、Firefox、Safari、Edgeなど)の最新バージョンでのテストが必要です。だいたいは、各社のWebサイトに書いてありますが、記載が無い場合は要注意(・・・書かない理由があるはず)ですね。

また、プロジェクトによっては、特定の機種やバージョンでのチェックが特に重要になる場合があります。例えば、特定の業界向けのウェブサイトでは、その業界で広く使用されている特定のデバイスやOSバージョンでの動作確認が求められることがあります。こういったイレギュラーな対応も可能かどうかを確認することが重要です。

7. セキュリティ対策

意外と見落としがちですが、セキュリティ対策もコーディング代行サービスを選ぶ際に非常に重要なポイントのひとつです。HTMLコーディングだから、個人情報とか無いから大丈夫じゃないの?って思われがちですが、それは間違っています。

そもそもコーディング代行を依頼するからには、コーディングの情報のみならず、お取引の情報だったり、エンドクライアント様のお名前だったり、結構シビアな情報のやり取りが含まれます。またサーバへの公開作業も依頼しているとなると、情報セキュリティに対する認証や証明を取得している会社を選ばなければ依頼する側のリスクにもなりますね。

一番簡単なチェック方法は、そのコーディング代行会社がISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)やPマーク(プライバシーマーク)などの情報セキュリティに関する認証や証明を取得しているかどうかです。それらの証明を取得しているコーディング代行会社であれば安心して機密情報の受け渡しができますので、必ずチェックしましょう。

※ISMSとPマークは、いずれも情報セキュリティを強化し、法令遵守を確実にするための重要な認証制度です。ISMSは情報セキュリティ全般を管理する包括的なフレームワークであり、Pマークは特に個人情報保護に焦点を当てた制度です。いずれも似通ってはいますが、少なくともどちらか1つはITの世界ではもはや必須、と言える認証制度です

コーディング代行サービスを選ぶ際の注意点

次に、コーディング代行サービスを選ぶにあたって特に注意することを5つあげました。意外と見落としがちな注意点もあるので、ぜひ参考にしてください!

1. 過度な安さには注意

コーディング代行サービスを選ぶ際、あまりにも安いサービスには注意が必要です。結局は人手で作るわけですから、価格が極端に低い場合、なかなか人手がかかっていない、チェック体制が薄いなどの問題がある可能性もあります。

やはり価格だけで選ぶのではなく、サービスの品質や実績、評判を総合的に評価して選択するべきです。適正な価格で高品質なサービスを提供するコーディング代行会社を見つけるためには、料金と提供されるコーディングの品質のバランスを考慮することが不可欠です。価格が適正であるかどうかを判断するためにも、やはり概算でもいいのでお見積りを取ってみるのがベストだと思います。

2. 電話番号が無い会社は要注意

上記「5. サポート体制」の項目でもお伝えしましたが、基本メール対応のみとなっている場合は十分に注意をしてください。というのも、ウェブサイト制作のプロジェクトというのはスケジュールがどうしても押しがちで、「急遽デザインやスケジュールが変わって急ぎで対応しなければいけなくなった」「今日中になんとか終わらせたい」「今!これを変更したい」、というようなこともよくありませんか?

しかし、メールやオンラインチャットだけですとそういった急を要する対応はできません。そういった予定外(想定外)の事態にも対応できる電話番号を公開しているコーディング代行会社を選びたいものですね。

3. 納品後の保証期間

コーディング代行サービスを利用する場合には、納品後の保証期間が設定されているかどうかも確認しましょう。保証期間内にバグが発生した場合、その修正に対応してもらえるかどうかを事前に確認する必要があります。保証期間があることで、納品後に発生する問題に対して安心して対応を依頼することができます。保証期間が設定されているかどうかは、契約書やサービスの詳細に記載されていることが一般的です。

保証期間が長いサービス=提供者が自身の品質に自信を持っている証拠ともいえます。また、保証期間内にバグ修正が迅速に行われるかどうかも重要なポイントです。納品後のサポート体制は、依頼前はあんまり気にならないものなんですが、結構後でもめる要因にもなりますので、しっかり確認はしておいてください。

4. 納品物の所有権

納品物の所有権が納品後に自身(もしくは自身の会社)に移行されるかどうかも事前に確認しておきましょう。特に「制作環境のファイルも一式納品してもらえるか」は、聞いておいてください。

この「制作環境のファイル」って何か。これは最近のコーディング制作ではHTMLやCSSを直接書くのではなく、手早く且つバグを少なくすることのできる書き方があるんです。今の時代はきっと主流の制作方法だと思いますが、この方法はいわば元ファイル(=制作環境のファイル)とHTML/CSSの最終ファイルの2種類ができあがります。そして元ファイルが無ければ、HTML/CSSの修正ができないか、相当やりづらくなるんです。

弊社でもよく(助けてくださいと駆け込んでこられるパターンで多いのが、、)、このうち「最終のファイル」だけしか納品されず、制作環境のファイルがないので、結果自分たちで修正ができなくなってしまったというお話です。制作環境のファイルの支給を求めると、別途費用が掛かると言われました、という話になるとのこと。

なかなかひどい話だなぁ、、、と思ったりはするのですが、これもすべては契約上、どこに所有権があるか、ということになるので、予めきちんとチェックしておいた方がいいと思います。

 

 

いかがでしたでしょうか。「コーディング代行サービス」と一括りにしても、そのサービスの中身はなかなか奥が深いですね!
案件や社内ルールなどに合わせて色々なコーディング代行サービスを見比べてみるのも良いかもしれませんね。

次回は最終章、「コーディング代行サービスに関するよくある質問」についてまとめて回答します!をお伝えします!